今現在、私がR3.6.1より運用しているシステムのポートフォリオの成績は、240か月以上のバックテストを行い、月勝率は90%、最大DDは20%未満、平均10%未満、月平均利益は4~5%程度である。
当然、20年通して一度も損失の年はなく、年利は税引き前で30~100%である。
年毎によって多少異なるが、年間でのリスクリワードは2倍近いうえに、ふた月以上、連続して損をだしたことがない。
上記だけを見るとかなり優秀なシステムのように思えるし、
私も開発当初は、「これならどんな時でも従える」と力強く思ったものだ。
ところが、、、、
人間の心はかくも弱いものだ、ということをいやというほど知らされた。
実際に、運用開始からわずか2か月程度、たまたま利益の月にならなかった、というだけで、
メンタルは容易にへこんでしまっていた。
統計上、そういう時期があるのもわかっているはずなのに、である。
もう一つ付け加えるならば、上記で説明をしたように、統計上、3か月連続でマイナスになった月はなかったが
それでも、3か月目となる8月の20日過ぎに、大きく評価損が出た時には
初のマイナス3連続目、、、、もしかして、システムはダメなのでは、、、なにか重大な欠陥がひそんでいるのでは・・・?と深刻に考えてしまった。
こうなると、人の心理はもろく、、、、
あぁ、、、私が見つけたと思っていたこのシステムは、もうワークしなくなってしまったのだな、、、
、、、、とか、、、、
あぁ、ドライバーがダメになってしまったのだろうか、、、、
、、、、とか、、、、
あぁ、システムのどこか、あるいは検証方法のどこかに、ミスがあったのだろうか、、、、、
、、、、とか、、、、
まぁ、そんなことを思って、心はくじけそうになるのである。
(コロナ後、一年間運用してきたシステムに、重大な欠陥があり、検証通りの結果がでない時期が長期間続いた、ということ、コロナで人生初の大損をくらってメンタルがすでに弱くなっていたことも理由の一つだろうけれど、、、)
こういった心の働きは、実はすでに色んな本で指摘されており、私自身もよく理解しているつもりであった。
よく覚えているのが、カーティス・フェイス著の「タートル流投資の魔術」記載のとある箇所で、以下に紹介させていただく。
(※ カーティスフェイスは、伝説のトレーダー、リチャード・デニスとウイリアムエックハートによって育てられた、タートルズの一員。かの有名なトレーダー二人が、トレーダーは育てることができるか?という賭けを行い、その真偽を確かめるために生み出された実験の産物だ。
たしかウイリアムエックハートは、トレーダーは育てられない、にベットしていたとマーケットの魔術師でのインタビューに答えていたが、カーティスフェイスのように、教育によって素晴らしい成績を残すものが多数輩出され、賭けはリチャードデニスの勝利となり、タートルズもトレーダーの伝説の一部となった。
なお、エディマーフィーが主演している映画「大逆転」のモデルにもなっているはずである。
子供の時に見た映画で、当時は面白く、最後は逆転してすっきりと楽しかった一方、先物をしらなかったために、なんのこっちゃ意味がわからなかったが、大人になってタートルズの話を聞いたときにすべてを理解した。
映画としても面白かったので、もしも興味のある人はぜひ。)
タートル流投資の魔術 P112~より
「ドンチャントレードシステムを用い、10万ドルを元手に、1996年から2006年5月までのトレーディングの結果を表したものだ。~~10年ちょっとの間に年平均43.7パーセント複利で増えている。もっとも38パーセントのドローダウンを見せる期間もあった。~~こんな利益とひきかえなら38パーセントの損失ぐらい耐えられる、と思ってしまうだろう。~~~6月1日にトレーディングを始めてまもなく、~~42パーセントのドローダウン~~~この時点で~~心をよぎったものは何だろう。、、、もしかして、システムが機能しなくなっていたら?~~さらに大きなドローダウンの始まりにすぎないとしたら?~~僕のテストのやりかたに~~間違いがあったとしたら?もしかして・・・・」
この本は、2007年出版であり、何度も読み返したし、おそらく、そう思うだろうな、、などとイメージをしながら読んでいた、、、つまり、しっかりと理解していた、、、、つもりなのである。
さらに、上記のドンチャントレードシステムは、38%のドローダウンがあり、勝率も低い、人間心理としてはかなり従うのがしんどい、ブレイクアウト系のシステムである。
一方、今の私が運用しているシステムは、個別勝率もトータルしたら結構高く、月勝率は90%という、かなり従いやすいシステムで、ドローダウンも大したことなく、、6~8月半ばまでのドローダウンも大したことはない、、、なのになのに、、、、、、、である!!
あぁ、私が書物から得た知識は、まるで表面だけのものではないか。
書物の人物と同じことを考えて、いらぬことを心配している。
以前の私なら、この本を読んで、そこでも従わないから勝てないのだ、なぜに自分のシステムに従えない??などと強気にうなっていたはずなのに、、、、
まさに、みると聞くとは大違い、、、、そして、知るとやるとは大違いである。
さて、トレードというビジネスに長年かかわってきた、、、、しかも、自分のカネをリスクにさらしてきたからこそ、自信をもってはっきりといえることがある。
それは、「メンタルは思っているよりもはるかに重要だ」ということだ。
もちろん、これは人によっても異なるのかもしれない。
だが、私はおそらく、他のほとんどの人よりも、リスクをとることを恐れない。
毎日、何千万円のポジションをもって、普通に一日を過ごせる人がそれほどたくさんいるとは思えないし、事実ほとんどいないだろうと思う。
それでも、システムに従うのが難しくなる時がある。
ポジティブな人間であっても、曲がりの連続、思い通りの結果がでないいらだち、システムの欠点に気づかなかった、、などの経験を一年半もすれば、自分は無能だ、とネガティブになってしまったり、、、落ち込んでシステムに従うのが難しくなってしまう。
たぶん、ほとんどの人にとって、相場はやはり難しいものなのだと思う。
メンタルは大切!
将来、自分がシステムに従えなくなった時に、ここを開くことを期待。
(正直、商品先物取引メインの時は、ほぼノンストレス、仕掛けサインがでるのが待ち遠しく、不安などほとんどなかった。この時も、統計的優位性を理解している上での裁量取引であったが、これらの取引ではほぼ勝率95%以上であり、たまの損失でさえ、欲張らずに損切をしっかりとしていれば、基本的には資産は右肩上がりになる、という、まさに落ちているカネを拾うような取引であった。もう一つ、仕掛けるのが多くて月に数回、とトレードチャンスが少なかった、ということも一因だろう。それと比べると、今やっている株式システム取引は、素晴らしいシステムではあるが、それでもまだ不安定であり、毎日大量に仕掛、手仕舞をするトレードはどうしても一喜一憂してしまう。先物取引の時代よりもよいのは、出来高の問題が以前よりはるかに小さくなったことで、ベットできるカネの量が増えたということだ。これはそのまま、システムがワークしているなら、稼げるカネが増えた、ということだ)
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