私は就職活動を適当にしていたため、いわゆる大きい会社に就職することができなかった。同級生の友人たちがそれなりの規模の会社に入るのをみながら、自分はフリーターでいいや、と考えていた。しかし、何もしないわけにもいかず、田舎の実家に帰ることとした。そして、地元にある小さい会社に入って働きはじめた。夜勤もあったし、お酒をやらないため、お金をそんなに使う、ということはなかった。また、自分としてもある程度お金がたまれば大阪や東京に出ていきたいと考えていたから、そんなに無駄遣いはしなかった。
そんなある日、ふと株式投資というものに興味がわいた。きっかけは手元にあった新聞の株式欄だったように記憶している。父親と株の仕組みなどをいろいろと話しながら、大変興味をもったことを覚えている。そこからは、都会にでていって、ということは頭の中から消えてしまい、とにかく相場というもので稼ぐにはどうすればよいのか?ということを考えるようになった。
株式相場に移ってから、一年くらいは勝ったり負けたりをしていたのではないかと思う。ただ、それでも大きく負けることはなかった。その時には、いろんな本を読んで勉強していたので、損切の大切さなどもある程度は理解していたし、大きく張れば買っても負けても結果は受け入れがたいものになる、ということくらいはわかっていたので、比較的ちいさく張っていたからである。
ただ、相場におけるいわゆる、「勝ち方」「儲け方」といったものは雲をつかむような話で、とにかく図書館に行って、いろんな本を借りてきて読む、という生活を繰り返していた。また、本屋にも足しげく通ってパラパラと立ち読みをして、「これは」という本があれば、とりあえず購入していた。ただ、初期のうちに、○○先生の推奨銘柄、といった類の本などは役に立たないな、ということは理解した。そうやって、いろんな本を読んで勉強しているうちに相場には株式のみだけでなく、商品先物取引、というものがあることも分かった。
2001年~の話なので、二十年近く前、その時はまだ小豆相場がそれなりに出来高があったし、とうもろこしも花形であった。まだ、石油製品が上場するかどうか、というくらいのことであったと記憶している。
株式相場では稼ぎ方がわからず、足踏みをしていた。そこで本を読めば、商品先物相場の方が簡単なように思ってしまった。勉強はもともとある程度できた。努力をすれば、ある程度のことはできる、他人にできて俺にできないはずはない、と考えていた。
アホであった。
なので、その本を読んで商品先物取引を始めることにした。証券会社からお金を取引員に移すことにした。いろいろと知らべてよさそうな商品先物取引員に口座を開設し、百数十万円程度のお金を入金した。
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